映画紹介『キャプテン・フィリップス』

キャプテン・フィリップス サムネ.png

おすすめ度:★★★★☆

ソマリアの海賊事件をトム・ハンクス主演でリアルに再現した伝記映画。決して派手ではないが、実際の事件を忠実に再現し、かつ退屈もさせない丁寧かつスリリングな演出になっている。

あらすじ:

貧困が支配する国、ソマリアでは漁師の多くが海賊となりソマリア沖の治安を悪化させていた。そんな漁師の一人、アブディワリ・ムセはボスからの命令で仲間と共に商船を襲うべくソマリア沖へ向かっていた。時を同じくして、コンテナ船「マークス・アラバマ」号がアデン湾からモンバサへ向けて航行していた。そこへ武装した集団の乗ったボートが接近し、それを見たフィリップスが警戒態勢をとり、なんとか追跡を振り切り難を逃れる。しかし次の日、ムセら四人がボートで再び現れ、フィリップスら船員が放水で追い払おうとするが、海賊は梯子を掛けて侵入し、コンテナ船はシージャックされてしまう。

コメント:

再現ドラマを感じさせる造りの映画。映画独特のメッセージ性は入れずに、ストーリーをリアルに作り、それをドラマティックに演出するという手法になっている。見所はやはりトム・ハンクスの演技にあり。緊迫感を出し、映画の雰囲気全体を作り出している。ストーリー全体が元になった事件に忠実に作られているためか、悪役をあくまで派手には描いていない。例えば海賊のリーダーのムセがソマリアの貧困に言及する場面があるが、一瞬触れるだけでそれ以上掘り下げない。社会風刺的なメッセージをキャラクターに喋らせると、キャラクター性をより際立たせられる代わりに、映画のフィクションっぽさを加速させてしまうからだろう。フィリップス救出後の余韻も見所である。アクションは少ないものの緊迫感を最後まで保てていて、かなり満足のいく映画だった。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です